Cart

お客様のカートに商品はありません

ストレスも、売るための余計なエサも与えない自然な「白い卵」を届ける──養鶏場 向井さんのこだわり

放牧の美味しさと情報を届ける体験型パッケージ「GRAZE GATHERING(グレイズ ギャザリング)」が始まりました!  

GRAZE GATHERINGでは4週に1度、2,280円(+送料)でユートピアアグリカルチャーが育てた新鮮な素材(放牧牛乳800ml,放牧牛乳ヨーグルト800ml,平飼いの卵8個入×2パック)と、地球と動物と人のより良い環境作りを目指す活動の報告、リジェネレイティブアグリカルチャーに関するコンテンツ記事をお届けします。

皆さんにお届けする素材は、ストレスも、売るための余計なエサも与えない自然な白い卵「EGG WHITE」、放牧でのびのびと育った牛から採れる牛乳「GRAZING MILK」、放牧牛乳100%で作った自然な甘みの飲むヨーグルト「GRAZING YOGURT  DRINK」の3つです。

今回は、お届けする「EGG WHITE」についてご紹介します。「EGG WHITE」は、健康を最優先に考えた平飼い(鶏舎内での放し飼い)の鶏舎でのびのびと暮らす鶏から生まれた有精卵です。一般的な卵には黄色味を強める着色力のあるエサを与えていますが、そのようなエサを使用せず黄身が白いことが特徴です。

さらに、北海道産米から取れる生糠や、菓子メーカーならではの菓子屑も自家配合のエサに加えることで風味豊かなおいしいたまごになりました。旨味がありながらもあっさりとした味わいのため、シンプルな卵料理はもちろん、プリンやカスタードようなお菓子作りにもコクを出してくれます。

洗卵時も卵になるべく負荷をかけず、鮮度を保ってお届けしています。届いてすぐはフレッシュな生の味わいを、その後は調理をしてそれぞれの美味しさをお楽しみいただけます。

そんな卵の価値をより知っていただくために、生産者の向井拓郎さんにニワトリの飼育方法について聞きました。

 

自由気ままに暮らすニワトリたち

 

──GRAZE GATHERINGでお届けする卵は、コクや甘みがありながらも、あっさりと風味豊かな味がするようにつくられていると思います。食べた方々はどんな反応をしてくれるのでしょうか?

向井さん:嬉しいことに、「ここの卵を食べたら、美味しくて他の卵が食べられなくなって……」と言ってくださる方が多いんです。卵に独特の臭みが無く、とくに「生卵かけご飯で食べると美味しい」と、みなさん口を揃えて言います。

味だけでなく、平飼い卵ならではの特徴もあります。黄身はこんもり盛り上がって弾力があり、白身は濃厚卵白がしっかり固まって崩れません。だから、フライパンに落として目玉焼きをつくるときも、ペチャっと割れずに形が残るんです。また、お菓子を作る方はみんな「メレンゲの立ちが全然違う」と喜んでくれますね。

 

──やはり、私たちが普段食べる卵とは違うんですね。「平飼い」とは一体どんな育て方なのでしょうか?

向井さん:ニワトリをケージに入れず、毎日鶏舎の中で歩きまわって暮らす飼育方法です。できるだけ自由に、ストレスを感じず過ごせるように気遣っています。私の養鶏場では、広さ一棟500㎡の鶏舎が3棟あり、約6000羽のニワトリを飼育しています。

自由気ままに暮らしているニワトリは、お腹が減ったらエサを食べて、喉が乾いたら水を飲んで、お日さまが当たれば日光浴をします。卵も無理矢理産ませるのではなく、鶏舎内に産卵箱を置き、産気づいたニワトリが自分で箱に入って卵を産む仕掛けになっています。平飼いは、とても自然に近くてストレスフリーなんです。

またオスとメスを混ぜて平飼いしているので、産み落とされた卵は有精卵です。つまり温めるとヒヨコになる、いわば生きた卵。有精卵は人間の健康にとっても非常に良いと言われています。

 

エサからフンまで無駄なく「循環」する

 

──自由気ままでストレスフリーに暮らすことが、おいしい卵の秘訣なんですね。ニワトリは普段どんなエサを食べているんでしょうか?

向井さん:市販の鶏向け飼料に、国産の小麦や米ぬかを混ぜて与えています。丈夫な殻の卵を産めるように、カルシウムなんかも入れますね。あとニワトリは青草をあげると喜んで食べるんです。毎年5月ぐらいからは、自然に生えている青草や、クローバーやハコベなども与えますね。

またユートピアアグリカルチャー代表の長沼真太郎さんは、札幌で洋菓子販売会社「きのとや」の運営にも携わっています。「きのとや」で販売する商品の一部は、私の養鶏場でつくった卵を使っているのですが、私は逆に工場から出た大量の菓子くずをもらっています。ニワトリは菓子くずを食べさせると喜ぶんです。とくに北海道の冬は寒くてカロリーを消費するので、菓子くずはニワトリたちの貴重な栄養源になっていますね。

 

──ユートピアアグリカルチャーがテーマとして掲げる「循環」では、なるべく地域の外からエサを持ち込まず、動物が生産・排泄したものまで無駄なく使うことで、地産地消のサイクルを回すことを大切にしています。お菓子くずを与えて育てる方法は、とても分かりやすい例ですよね。

向井さん:そうですね。もともと工場の菓子くずは廃棄されていたのですが、ニワトリが食べることで地域内で栄養素の循環が生まれます。

排泄物の再利用もポイントですね。養鶏場からは大量にフンが出るのですが、できる限り牧草地に撒いています。排泄物は土に還って、地域の緑を豊かにしてくれる。無駄のない循環型の取り組みです。

動物の幸せから、食べた人たちの幸せへ

──向井さんが平飼いをはじめたのは、どのようなキッカケがあったのでしょうか。

向井さん:父親の代から、ずっと平飼いで養鶏業を営んでいたんです。やっぱり自然に近い形で飼育した方が、品質の良い卵がつくれるんですよね。

日本では多くの養鶏場が「ケージ飼い」を採用しています。たしかに金属の網に入れて育てた方が、無駄や手間はかからないと思います。人件費もかからないですし、卵の生産過程を機械化しやすいはず。

でも、それだと養鶏場は「卵を産ませる」工場になってしまいますよね。ニワトリが身動き取れない、体の向きも変えられない檻に閉じ込め、工場の流れ作業のように卵を産ませることに疑問を感じてしまいました。

欧米では、金網のケージ飼いは法律で禁止されていると聞きます。だから平飼いへの意識はすごく高いそうです。いま私は「一風変わった方法でニワトリを育てる養鶏場」だと思われているかもしれませんが、もっと当たり前に平飼いができる時代が来てほしいと願っています。

 

──最後に、消費者の皆さまに伝えたいことや、卵に込めた想いはありますか?

私たちがつくる平飼い卵には、アニマルウェルフェアの考えに限りなく基づいた「しあわせな鶏が生む、しあわせな卵」という、原点のコンセプトがあります。とにかく、食べた人たちが幸せになってもらえる卵を目指しているんです。

私の養鶏場は、新冠という太平洋を一望できる高台にあります。大自然の恵みを受けて育ったニワトリたちが、いい卵を生産して、それを食べた方々には健康で幸せになってほしい。それを伝えられれば本望ですね。