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「お菓子」がつくる、「社会課題」を知る/気づくキッカケ

1998年、イギリスでとある会社が誕生しまし た。その名もDivine Chocolate。「カカオ産業 の搾取をなくす」をミッションに生まれた、世界で 初めての農家所有のチョコレートブランドです。

Divine Chocolateが設立された背景には、 不公平な取引によって利益が農民に反映されにくいという問題がありました。同社は、株式の44% を生産者組合「Kuapa Kokoo」が所有し、利益 の用途を農民たちのグループが決められるとい う仕組みを導入することによって、この問題に風 穴を開けようとしたのです。

その後の25年で、新たな学校の設立やカカオ 農家の女性へのサポートなど、コミュニティのた めの経営を実践してきたDivine Chocolate。 一方、フェアトレードの精神にのっとって生産され る同社のチョコレートは、日本を始めとする世界 各国で愛され、消費者がフェアトレードやカカオ 農家の状況について知るきっかけにもなってきました。

「社会課題」と「消費者」をつなぐお菓子


Divine Chocolateが20年あまりをかけて証 明したように、お菓子は社会課題と消費者をつな ぐ架け橋になります。とはいえ、その取り組みは 必ずしも生産者が直接関わるものに限りません。

例えば、2019年7月にオープンした「imperfect 表参道」は、グレーズドナッツやアイスクリーム、 チョコレートといった商品を販売しながら、その原料がつくられている地域に存在する環境問題や 貧困問題についての情報を発信してきました。

そのユニークな取り組みのひとつが、「Do well by doing good. (いいことをして、世界と社会をよくし ていこう)」です。

売上の一部を寄付するこのプロジェクトの特 徴は、使い道をお客さん自身に決めてもらうこと。 商品を購入したときにもらえるチップを店舗内の ボックスに入れ、どのような用途に使ってほしいかを投票してもらうのです。
投票数は1年事に集計され、過去にはコートジボワールでカカオの品質向上と収穫増加につながるシェードツリー(日陰 樹)の苗木を植えたり、ブラジルの女子学生が農 園の経営に必要な知識や技術を学ぶための支援をしたりといったプロジェクトが実施されました。

2023年には、ガーナのカカオ農家とともに女性 の活躍をサポートするプロジェクトを開始。カカオの販売収入がない時期の収入を補完するため に栽培・販売されるキャッサバ芋の加工機械を導入しました。
加工機械が街にできたことによって、 重いキャッサバを近隣の街まで運ぶ必要がなくな り、女性の参入障壁を下げようという試みです。 なかには、お菓子を通して視点を広げてもらうための試みも。

三重県のいきものクッキー専門店 「kurimaro collection」は、さまざまな生き物 をモチーフにしたクッキーを販売しています。
これまでつくってきたクッキーは、微生物から大型 哺乳類をモデルにしたものまで800種類以上。動物たちの特徴をかわいらしく表現したり、生きものと所縁ある食材を使ったりすることで、生物の多様性を発信しています。

「B Corp」も取得した プラントベースのクッキーブランド」


わたしたちの日常に寄り添ってくれるお菓子は、「知る」だけでなく、ライフスタイルをより持続可能なものに「変える」きっかけにもなります。プラントベースのクッキーで知られるベイクショップ「ovgo Baker」も、そんな変化の兆しをつくっているブランドのひとつです。

「organic, vegan, glutenfree as options」の頭文字をとったovgoのお菓子は、その名のとおり全てヴィーガン仕様。加えて グルテンフリーの製品もあります。使われている 材料の多くが、オーガニックで生産されています。

創業者の溝渕由樹さんがプラントベースのクッ キーをつくりはじめたのは、環境問題を意識して のことでした。牛乳やバターなど、クッキーの原料 を生産する従来型の酪農は、二酸化炭素(CO2) やメタンを始めとする温室効果ガスを多く排出したり、土地を切り開くために森林伐採などの原因 にもなったりすることで問題になっています。特 に欧米では、環境問題への配慮からプラントベー スの食品を選択する人も増えてきました。

こうした現状を知った溝渕さんが行きついたのが、動物由来の製品を一切使わないクッキーづくりです。
ovgoによると、同社のクッキーは一 般的なクッキーと比較して、クッキーの原材料 調達から販売・廃棄までに排出される温室効果 ガスが約84%少ないといいます。「実際に販売 を開始してからはヴィーガンを実践されている 方や乳製品、卵などアレルギーをお持ちの方 やそのご家族などにも嬉しいお声をいただくこ とも多いです」と、溝渕さんは語ります。

また、 2023年には日本の食品会社としては初めて、 社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対 する国際的な認証制度である「B Corp」も取 得しました。 こうした取り組みによって、消費者の行動が無 理なくよい方向へとシフトしていってくれればと 溝渕さんは考えています。「ベジタリアンやヴィー ガンという言葉を聞くとハードルを高く感じてし まう方も少なくはないかと思います。そんな方 でも、まずはおやつのクッキー1枚から、 朝ごは んのマフィンからなど、より手軽なタイミングで 美味しく楽しみながら少しずつプラントベース を取り入れていただくことが できる点がovgo Bakerのお菓子の強みかと思っています」

心から楽しめるお菓子を


作っているものこそ異なりますが、ユートピアアグリカルチャー(UA)が目指しているのもまた、地球環境に悪影響をもたらさずに心から楽しめる、本当に美味しいお菓子作りです。

「地球にも動物にも人間にも美味しい」を掲げたチーズワンダーやメルティマジックの原料は、放牧で育った牛たちの牛乳。北海道大学との共同研究を通じて、ふん尿を堆肥にして草木が健康に育つ土をつくったり、微生物を増やして土壌により多くの温室効果ガスを吸収させたりすることで、環境に負荷をかけないだけでなく、むしろプラスの影響を与えるような農業のありかたを追究しています。

お菓子は本来、必ずしも食べる必要はないもの。それでも食べたくなるお菓子だからこそ、地球環境に悪影響をもたらさずに心から楽しめるものをつくりたい。そんな想いで、UAはこれからも取り組みを続けていきます。